若年性アルツハイマーの夫との日々

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<<   作成日時 : 2007/12/31 20:45   >>

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2006年12月、私はレッスンの合間、何ページの何番まで終わったとか、どこが
難しそうだったとか、夫がどんな説明をしたとか、わかる範囲でノートにメモしました。
個人レッスンの筈が、私が見ていれば気になる人もいるかも、と思うと振り向くのも
なんとなくためらわれました。

夫はレッスン中は立ちっぱなしです。
たまに譜面の順番を飛ばしたりしましたが、そこは先生の役得で押し通せば良い。
生徒さんと噛み合わないやり取りもあったけれどご愛嬌。
顔や名前はほとんど覚えられませんが、それとて無理もないことです。

時間や出席簿の心配がなくなったことで、夫のストレスも多少減り、空いた時間に
次は誰さんで、この前は何をやった、などと説明すれば準備もします。
しばらくすると忘れてしまい、今度は誰だっけ、となりますが、いざレッスンが始まれば
ちゃんと対応していました。

私にとっては夫が教える姿を見るのは初めて、病気の事を忘れる事は出来ませんが、
たくさんの思いが湧いてきて見ているだけで胸が一杯です。

それでも何回かすると私も生徒さんも慣れてきて、時々話したりするようになりました。
もともと、ずっと黙ってはいられない性格です。
小、中、高校生、30代、40代、50代の男女の生徒さん、よくもここまでばらばらに
集まったなと思うような年齢層です、楽器をマスターしたい気持はどなたも同じですが、
それだけ難しい楽器なのでしょう。

毎回見ていると、必ず出来ない演奏技法があり、夫が何回やって見せても誰も出来ない。
ゆっくり、それからテンポを少し速くして、と見本を見せるが出来ません。
それが毎回続きます。私には、なにか別の教え方があるのでは、と思えてきました。

レッスンが終わるといつも二人で食事してから帰るのですが、その日、食べながら  
あれさ、なんか上達するコツを教えてあげたほうがいいんじゃないの、と言いました。
それから夫の答を聞き、自分が恥ずかしくなりました。

コツはないよ、出来るためには自分で繰り返し繰り返し練習するしきゃないんだよ。

私はこの年になっても、まだ人間が出来てない、そう感じました。

12月の後半、療養中の先生は退院されたものの、まだ少し時間が必要との事で
夫は2007年1月いっぱい勤めることになりました。
















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