若年性アルツハイマーの夫との日々

アクセスカウンタ

zoom RSS 父の事、母の事

<<   作成日時 : 2016/02/18 00:49   >>

トラックバック 0 / コメント 2

夫の両親の事を書いておきたい。 

昨年の12月、父の13回忌の法要がお寺で営まれました。
連絡を貰い、夫と一緒に出掛けるについてはやはり迷いがありました。
兄弟親戚には何年も会っていないし、何より夫にはその記憶が残念ながら消えている。
 
でも何か思い出す事が少しでもないものか。皆と対面の時を迎えれば、の期待も僅かながら。

ところが、早朝からの身支度を何とか終えて、久し振りのネクタイ姿の夫に見惚れ、やれやれ車に
乗り込んだらエンジンがプスっとも掛からない。 こんな裏切りあるかねえ。
でも神の助けか夫はタクシーに乗り込んでくれ、開始5分前にはぎりぎりで到着しました。

新しく増えた孫達がその場の平均年齢をぐっと若返らせ、大人の顔も晴れ晴れしている。
孫ってかわいいもんなんだよね、 そうでない人にまだ会ったことないよ。
その中で、靴を脱がずにごねる夫と、夫に掛かりきりの私は少々浮いた存在だったかも。

夫は我慢が出来ず、お経の途中で退席する形になったが致し方ない。迷惑を掛けた筈だが
誰も咎めず、誰も嫌な顔をせず、誰も夫を構わず、夫は一番目立つのに透明人間のよう。
それをきっと気遣いというんだろうね。 


年が明けて、二人で母を見舞いました。 病院で最後に会ったのは3年前です。
それ以前から歩行は出来なかったし、認知症は既に進んでいました。
その後退院は果たしたものの、それからは一度も実家を訪ねませんでした。

今回の法要で再入院を知り、これが最後の機会かもと思いました。
本当は気が重かった。会わなくても、想像が出来るからです。
勿論、会わないでいる事への後ろめたさがそれ以上でしたけれど。

母は以前に増して痩せ、その姿から元気な顔を思い出す事は夫には無理でした。
夫は所在無げにベッドの足元に立って母を見ています。

母も夫を見たものの、夫の濃紺のダウンコート姿がもしかすると怖い人に思えたのかも。
なんでそんな格好で来たのっ、とどんどん声が興奮で大きくなってきました。
4人部屋で 寝ている人も声が出始め、私は夫も怒りだすのではないかと慌てました。

夫を怒らせてしまったら特効薬はなく、懇願や泣く、笑う、怒る、何をしても上手くいかないが
唯一、謝ることが一番効く。 ごめん、ごめんね。 もっとも ブスッと言えば見抜かれるけど。

私は母の手に触れて お母さんごめんね、ごめんなさい、と繰り返しました。
本当に悪いと思っているから、いくらでも必死に言葉が出ました。

母は夫と同じように うん、と言って 少し静かになりました。

今の内に部屋を出ねば。 お母さんと握手してから帰ろうね、と夫を前に押しやると 夫は
言われた通り母の手を取り、握手の真似事をしました。

私は夫にはもう母が分からないと、それは絶対確信していました。
そして 本当にそうだとは思うのですが、

くるりと振り返ったら 急に夫の目に涙が溢れてこぼれました。 








テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私の場合は父も母もなくなっていますが。
母のことを思い出してしまいました。
父がなくなり団地の建て替えがあるのでやむなく別の団地に移りました。
母は一人の生活。
週に一度母に会いに行くと昔の写真を見ていました。
帰るときにはまた来てね、また来てねが母の言葉でした。
いつも小さなベランダから手を振っていました。
それからしばらくしてなくなりました。
もっともっと母に会いに行けばよかったと思います。
桜の時期に母と歩いていて母の写真を撮っていたら別の夫婦の方が写真を撮ってくれました。
あの写真を今でも思い出します。
母の照れたような顔を。息子と並んで撮られているのが。
いつでも夢を
2016/02/18 03:07
久しぶりにブログを拝見しました。
(パソコンを替えたりしてアクセスできなくなったのも理由のひとつです。)
更新を続けておられてあt間が下がります。
何年分か一気に読ませていただいています。
またお邪魔します。
イーちゃん
2016/04/17 17:27

コメントする help

ニックネーム
本 文
父の事、母の事 若年性アルツハイマーの夫との日々/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる