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2006年11月になり、夫は一人で教室へ出かけ、一枚の紙を貰ってきました。 時間割、生徒さんの名前、年齢などが書いてあります。 夫は、やります、と言ったのだと思います。 もはや私は自分の心の葛藤と向き合っている暇はありません。 申し訳ないが、今回の仕事は、仕事ではない、お金ではない、学校のためでも ない、夫のためだ、夫に良い影響がありますように、その反対になりませんように。 誠に無責任な考えですが、最後に思ったのはそんな事でした。 直接、場所を知らない私には、貰った紙だけが情報源です。 夫の字らしき日付の書き込みもある、11月は2回、12月は3回。 大丈夫だ、これなら。 ただ、時間割を見て不安になりました。 一人40分の個人レッスン、10名の名前があるから休みなしでも7時間近く。 年齢も小学生から50代まで多様です。 以前と同じではない夫が、残っている経験と記憶を頼りに、どこまで出来るのかと。 でも、前へ進むしかありません。それなりに思いつく準備もしました。 ノートを用意して個人別にページを作り、教えた事などのメモが出来るように。 始まり、終わり、ここで休憩、と時間割も細かく書き直しました。 夫は教則本を用意して、譜面のチェックをしていました。 私と練習を再開してから以後、夫は譜面を一切見ていません。やはり読譜の衰えは 感じました。それでも目が慣れるとでも言うべきか、思い出したこともあるのでしょう、 久し振りに譜面を見ながら練習する夫を見て、うれしかった。 夫もそうでありますように。 11月半ばを過ぎて最初のレッスン当日、午前中から出発です。 コーヒーとサンドイッチを作り、渋る夫にピカピカの携帯も持たせました。 忘れ物がないか夫は何度もチェック、結構な荷物になってお出かけです。 お互いに不安でしたが、平気な顔をしていました。 じゃね、行ってらっしゃい。 行ってきまあす。 まるで遠足に行くみたい。ホントは戦場に見送る気分です。 |
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